機能性表示食品の加工食品(その他)のうち、機能性関与成分を含む原材料が農林水産物の生鮮品、1次加工品、酢、植物油と推定される届出の件数について、原材料ごとに集計しました。
2015年4月から2023年2月22日までの届出件数上位18位までは表のとおりです。
機能性関与成分の原材料 | 届出件数 |
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緑茶、抹茶、玉露 | 75 |
大麦、大麦粉 | 53 |
大豆、大豆粉 | 43 |
米黒酢 | 42 |
トマト、トマトジュース | 33 |
多種類の野菜・果物 | 24 |
あまに油 | 14 |
りんご酢 | 14 |
乾燥葛花 | 13 |
桑葉、桑葉粉末 | 13 |
さば | 10 |
米 | 10 |
にんにく | 9 |
コーヒー豆 | 8 |
しいたけ | 8 |
菊芋 | 8 |
温州みかん | 7 |
小麦ふすま | 7 |
消費者庁「機能性表示食品の届出情報検索」の「機能性関与成分を含む原材料名」から推定して集計(2015/4/1~2023/2/22) |
〈茶〉
機能性関与成分の原材料が「緑茶」、「抹茶」、「玉露」とされている届出件数は、計75件でした。食品性状は、茶葉、粉末、飲料等です。機能性関与成分は、フラボノイドに分類されるカテキン類(茶カテキン、ガレート型カテキン、エピガロカテキンガレート、メチル化カテキン等とされる)のほか、アミノ酸のテアニンでした。機能性では、茶カテキンとガレート型カテキンは肥満傾向の方の体脂肪減少、エピガロカテキンガレートは食後の血糖値の上昇抑制、メチル化カテキンは花粉やハウスダストなどによる目鼻の不快感軽減が表示されていました。テアニンは睡眠の質や一過性のストレス軽減に関する機能性、認知機能の一部に関する機能性が表示されていました。参考までに、お茶の仲間では、届出件数は少ないですが、「烏龍茶」、「プーアール茶」、「杜仲茶」も、それぞれ独自の機能性関与成分の原材料とされていました。
〈大麦〉
「大麦」(もち麦を含む)または「大麦粉」のみを機能性関与成分の原材料とする届出は計53件で、全て大麦由来のβ-グルカンを機能性関与成分としていました。機能性では、食後血糖値上昇抑制、高めのLDLコレステロール低減、おなかの調子を整えるが表示されています。様々な食品性状で提供されており、精麦、蒸し麦、シリアル、パン、菓子、ホットケーキミックス、麦入りスープ、麺類、米飯やおにぎり等がありました。
〈大豆〉
「大豆」または「大豆粉」を機能性関与成分の原材料とする届出は計43件でした。機能性関与成分(機能性表示)は、大豆イソフラボン(骨の成分維持、中高年女性の肌のうるおい維持)、大豆ベータコングリシニンまたは大豆ベータコングリシン(高めのBMI低下、高めの血中中性脂肪低下)でした。大豆イソフラボンを機能性関与成分とした食品は、大豆水煮、蒸し大豆、豆腐、ヨーグルト、飲料等がありました。一方、大豆ベータコングリシニンまたは大豆ベータコングリシンでは、こうや豆腐と豆乳が大半を占めました。この43件には含めていませんが、大豆関連では他にも、黒大豆、青大豆、紅大豆、大豆油、黒大豆玄米酢を機能性関与成分の原材料とした食品がみられます。
〈酢〉
機能性関与成分は酢酸です。「米黒酢」のみを原材料とする届出は計42件でした。いずれも酢酸による肥満傾向の方の内臓脂肪減少に関する機能性が表示されています。食品性状では、大多数が飲料であり、水を混ぜて飲むタイプが多くみられました。これとは別に、「りんご酢」のみを原材料とする届出も14件ありました。
〈果物〉
果物を機能性関与成分の原材料とした届出に着目すると、原材料(機能性関与成分)ごとの件数は次のとおりでした。
みかん(β-クリプトキサンチン、GABA)9件
梅(クエン酸)6件
パインアップル(パイナップル由来グルコシルセラミド)3件
レモン(クエン酸)3件
りんご(リンゴ由来プロシアニジン)2件
シークヮーサー(ノビレチン・タンゲレチン・ヘスペリジン・ナリルチン、クエン酸)2件
河内晩柑(オーラプテン)2件
かぼす(クエン酸)1件
クランベリー(キナ酸)1件
ぶどう(ぶどう由来のプロアントシアニジン)1件