ごぼう抽出物の2型糖尿病への効果レビュー

ごぼう

ごぼう(Arctium lappa L.)の根に含まれるフルクトオリゴ糖には、抗ウイルス、抗炎症、脂質低下、抗糖尿病効果など、幅広い薬理学的特性があることがわかっている。さらに、クロロゲン酸も含まれ、伝統医療で抗酸化剤として使用されている。本レビューでは、ごぼう抽出物摂取による2型糖尿病治療における効果と、最近のin vitro及びin vivo試験の結果について検討する。

Shakti Chandra Mondal & Jong-Bang Eun. Food Sci Biotechnol. 2022; 31(8):999-1008.

ごぼう抽出物摂取及び水中運動と高齢女性の動脈硬化

韓国のメタボリックシンドロームの女性42名(70~80歳)が無作為に4群(対照群、水中運動群、ごぼう群、水中運動+ごぼう群)に割り当てられ、16週間の二重盲検臨床試験を実施した。水中運動により、介入前と比較して、血清インスリン、血清グルコース、HOMA-R、トロンボキサンA2の値が低下し、QUICKIとプロスタグランジンI2は上昇した。一方、ごぼう抽出物摂取と水中運動を組み合わせた群のみで、介入前と比較して、動脈硬化度の評価指標である脈波増大係数、心拍数75bpmにおける脈波増大係数、脈波伝播速度が統計的に有意に改善された。水中運動とごぼう抽出物摂取の併用治療は、動脈硬化を改善する可能性が示唆された。

Min-Seong Ha, et al. Metabolites. 2022; 12(10):970.

ごぼう抽出物摂取及び水中運動による高齢女性の柔軟性等への効果

韓国の高齢女性40名(65〜80歳)が臨床試験に参加し、12週間の水中運動とごぼう抽出物摂取による体力、プロスタグランジンI2(PGI2)、トロンボキサンA2(TXA2)の変化を測定した。参加者は対照群(n=8)、水中運動群(n=11)、水中運動とごぼう抽出物摂取(n=11)、ごぼう抽出物摂取群(n=10)に無作為に分けられた。水中運動とごぼう抽出物摂取群は、他の3群と比較して柔軟性の増加量が統計的に有意に高く(p<0.05)、さらに介入前と比較して心肺持久力が統計的に有意に増加した(p<0.05)。介入の前後でPGI2とTXA2に統計的に有意な変化はなかった。

Min-Seong Ha, et al. J Clin Biochem Nutr. 2019; 64(1):73-78.

膝関節炎患者のごぼう茶摂取による抗炎症及び抗酸化効果

イランの膝関節炎患者男女36名(50~70歳)が参加した6週間の臨床試験が実施され、全員がアセトアミノフェン及びグルコサミンによる薬物治療を受けたのに加え、介入群は食後30分にごぼうの根2gを沸騰水150mLで煎じたごぼう茶を3杯/日摂取し、対照群は沸騰後の水150mLを3杯/日摂取した。ごぼう茶摂取群では、摂取前と比較して、炎症マーカーである血清中のIL-6(P=0.002)及び高感度C反応性タンパク質(P=0.003)が統計的に有意に低下した。また、酸化ストレス指標については、ごぼう茶摂取群は対照群と比較して、6週間後のマロンジアルデヒド(P=0.021)が統計的に有意に低値であったほか、血清中のTAC(P=0.004)とGPX(P=0.003)が統計的に有意に高値であった。ごぼう茶が膝関節炎患者の炎症状態と酸化ストレスを改善することが示唆された。

Leila Maghsoumi-Norouzabad, et al. Int J Rheum Dis. 2016; 19(3):255-261.

ごぼうの抗酸化成分に対する加熱の影響

ごぼうは日本人が食べる野菜の中でも抗酸化能が高い。調理前にあらかじめ加熱処理することで、ポリフェノールオキシダーゼによるクロロゲン酸等のポリフェノールの酸化を防ぎ、高い抗酸化能を維持できるかを調べた。50℃の蒸し加熱処理20分または電子レンジ500W加熱40秒による前処理有りと前処理無しのごぼうを用いて、きんぴらごぼうを調理し、H-ORAC法により抗酸化能を比較した。その結果、50℃の蒸し加熱及び電子レンジ加熱で前処理した場合、前処理無しの場合と比較して調理後の抗酸化能が高値であり、特に電子レンジ加熱処理の場合は統計的に有意に高かった。

村上崇幸&井上淳詞. 日本調理科学会誌. 2013; 46(6):405-406.

ごぼうのクロロゲン酸等の含有量

野菜は主に生産性の向上を指標とした育種がおこなわれてきたことから、品種間で成分含有量や組成が異なる可能性がある。ごぼう13品目(品種)のクロロゲン酸関連化合物の含有量をHPLCにより調べた。クロロゲン酸の含有量は乾燥重量1g当たり1.35~4.75mgであった。クロロゲン酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイル-3-サクシニルキナ酸の組成比に大きな差は認められなかったが、それぞれの含有量や合計量は品種・品目間で大きく異なった。品目によって機能性成分量が異なることが示唆された。

王蓉ほか. 日本食品科学工学会誌. 2001; 48(11):857-862.

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